こもだ弁護士の気まぐれ日記


by komojun

貸付業規制に関する自民党案の問題点。

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今年9月15日に、自民党の案が示されました。まだこれから国会の審議を経る必要がありますし、日弁連など反対意見も多いので、未だ最終的なものではありませんが、新聞各紙の生地を要約すると以下の①②③ような内容のようです。







①出資法の上限金利が現行年率29.2%とされているのを、年率20%に引き下げて、いわゆる「グレーゾーン金利」を撤廃する。
※ここで「グレーゾーン金利」というのは、利息制限法の上限金利(元本10万円未満は年20%、元本10万円以上100万円未満は年18%、元本100万円超のときは年15%)と、上記出資法による年29.2%との間の金利のこと。大半の消費者金融業者は債務者(借主)が任意に支払うなどの一定の条件を満たせば貸金業規制法43条の「みなし弁済規定」によって例外的に有効とされるとの規定を根拠にして、この幅の中で営業してきました。
ところが最高裁は、この「みなし弁済」と認める範囲を極力狭めるような判断をしてきた上、今年1月には上記のようなグレーゾーン金利を実質的に無効とする消費者保護の判断をしました。

②自民党案では、改正法の公布から「おおむね3年」以内に(つまり2009年中にも)上記の上限金利の引下げを実施する。つまりグレーゾーンはなくなる。

③自民党案では貸金業者に配慮して、その後2年間は「特例金利」(年25.5%)による融資を認めるとしています。 ※日弁連はこれ自体に反対しています。
●但し、自民党案も、個人向けは元本30万円・期間1年、法人向けには500万円・期間3ヶ月を上限とする=小額・短期の貸し付けのみとしています。
●しかも、上記の上限金利引き下げまでの3年間に特例を認めるべきか否かの必要性を検討した上で認めないこともありうるとしています。



しかし、以上の自民党案は特例を認めること自体に問題がある上に、②の点についても、もしそれによって今まで「グレー」だった金利を法律で3年猶予をもらった「シロ」だと評価されてしまうと、利息制限法を超える金利分の返還請求に影響をあたえるのではないかと心配されています。
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by komojun | 2007-10-13 15:26 | 法律関係